皆さんは、物事をどのくらい完璧にやりたいと思う方でしょうか。小さな子どもたちでも、性格は様々で、全部できないと自分を許せない、気持ち悪い、達成感がない…と感じる子たちも多いようです。それはそれで、設定した目標に向かって頑張れる、とても良い所なのですが、その設定を崩せないがゆえに自分を苦しめてしまうことがあります。私たちは「諦めないで!」という大切なメッセージを持ちつつ、「少しでもできたことを続けていれば、いつかは達成できる」…という別の方法も伝えていく必要があるかもしれません。振り返ってみて「半分できた」と思えたら、いつかまた残りの半分に挑戦すればいいのです。苦しくなって全部嫌になってしまうより、その時は半分でも(あるいはもっと少しでも)長く続けることが力になっていくでしょう!
先日スモールグループの学びで「先延ばし」の癖について話しました。無意識の恐れや不安があって、すぐに取りかかれず、つい先延ばしにしてしまう心理は誰にでも経験があると思います。でもこの癖を放っておくと困ることになるケース(先延ばしにしている間に衝動的に飛びついたゲームやネットに依存していく…など)があることも事実です。...
様々な方のお話を伺っていると、「家族との関わり」「学校での生活」「職場での人間関係」など多くのことで苦しまれていることがわかります。ほとんどの場合、問題が複雑に絡み合っているので、それをほぐしつつ、1つ1つ結び目をほどいていきます。周りの環境で改善できそうなところには具体的に働きかけて、それで安心が増えていくこともあります。また、場合によっては、ご自身の中の考え方に変えられる点は無いか、もしかしたらそこが変わることで関係が変わるのではないか、ということにも注目します。これは認めがたい、しんどい作業です。が、本当にそこが腑に落ち、ご自身が変わられたとき、全体が悪循環から抜け出し、急に物事がスムーズに動き出すということを何度か見てきました。もし「○○さえ変わってくれたら」「○○が良くなったら」という思いに捉われて苦しいのであれば、実は少しの発想の転換で楽になることがあるかもしれません。
そろそろ秋の気配がしてきました。夏に休みが取れリフレッシュされて「さあ、頑張ろう」となればいいのですが、また元の日常に戻る…ということがしんどい時も多いですね。子どもたちにとっても辛い季節かもしれません。先日テレビで放映されていましたが、呼吸を整えることは不安感の解消に繋がるということで、カウンセリングでも多く取り入れられています。肺は自分で動くことができないので、息を吐いた時に肺に残っている空気をより多く外に出すために、ゆっくり呼吸をする(呼吸の回数を減らす)ことが自律神経にもよい影響を与えるようです。「呼吸ストレッチ」でも検索できると思いますが、まずは、出かける前に意識してゆっくりと深呼吸をしてみると、少し落ち着いて1日をスタートできるかもしれません。
何かあってイライラしてしまったり、相手に対して嫌な感情をもってしまったり…私たちは時々、そんなことを考えている自分がいやになる、という経験をします。それは「怒り」のような感情が"悪い”思いだと感じているからですよね。でも、感情に「よい」「悪い」はありません。そこからどう行動するか…を考えることは大切ですが、それを冷静に考えるためには、自分のもっている感情をそのまま受け入れる(「あ~、私は今怒っているな」や「今イライラしてるな」などに気づき、認める)ことが必要です。感情を手の上に乗せて、上から眺めるようなイメージです。できれば、もう一人の自分に「怒って当然よ」などと言ってもらいましょう。 そして一旦受け入れたところで、どうすることが相手と自分にとってベストなのか?を考えます。これらは、なかなか難しい作業ですが、その場を笑顔で取り繕って、後々モヤモヤするよりも、心の負担は軽くなるかもしれないですね。
新しい年度になりました。日本では、職場や子どもの学校、趣味の会など、新たな人間関係ができる時期ですね。私たちの周りには、自分には足りないものを、もっている人がいて、時に「羨ましいなぁ」と思うことはありませんか? 自分とは遠い立場の人(例えばテレビに出る有名人など)にはそれほど強い羨ましさを感じませんが、近い立場にある方で、自分と同じようなことをしている人がうまくいっていると、より羨ましく感じるようです。「羨ましい」と感じている自分に気づいたら、それを妬みや恨みに変えることにエネルギーを使わず、自分を改めて俯瞰し、自分にしか無い何かを考えるよい機会としていけたらいいですね。
新年恒例の駅伝で総合優勝した青山学院大学の原監督が、いつも学生たちを「自律」できるよう励ましている姿に感銘を受けます。「迷ったら攻めろ」という言葉にもそれまでの積み重ねがあると聞きました。私たちの人生でも「迷ったらやめる」か「迷ったら進んでみる」かで道が変わってくることがあります。どちらがいいか、一概には言えませんが、進む人はなぜ進めるのか?と考えると、正しいセルフイメージが土台にあることの大切さに思い至ります。自分の存在に自信がない時に迷うと「やめておこう」となりますが、「私は私でいい」と思える時には「やってみよう」と踏み出せるものなのです。 「迷ったら進んでみる」…そんな気持ちになって、今年もさらに新しい世界を体験できるといいですね。
小さな子が転んで、どうするかなと思っていると、そばで大人が「泣かない!痛くないよ」と叫んでいて、なんとかその子は泣かないで立ち上がる……道でこんな親子の風景を見たことはありませんか?その後には「えらいね」などと褒められるのです。でも、本当はその子の心と体は「痛いよ」「びっくりした」「怖かった」と泣きたいはずです。私たちは体の奥に感じられる感情に、違う名前をつけられることが続くと、脳が混乱し、感情を制御すべき時にできなくなってしまいます。悲しかったり怖かったり…嫌な感情をもっている時には「悲しい」「怖い」と言えること、悲しければ泣くこと、泣かせてあげることはとても大切なのです。家族や温かい人間関係の中で、安心してそれができるといいですね。
先日のスモールグループで「面倒くさい」という気持ちは、本当はどんな気持ちかを考えてみました。「疲れている」「不安」「難しそう」「煩わしい」「おっくう」「自信がない」……実は奥に"過去の体験"から引き出される様々な感情が潜んでいることを発見できます。面倒なことをいつも先延ばしにしていると、脳が回避することを学習してさらに面倒になるのでは、という話も出ました。面倒くさがりは「性格」ではなくて、そんな脳の働きだと知っていると、対処できる気もしてきますよね。脳が勝手に引き出してしまう"過去の体験"を阻止するためには、あまり考えずにとりあえず「少し取りかかる」ことと、完璧を目指さないことが有効かもしれません。 それにしても暑くて何をするにも面倒ですね(涙)
4月から新しい環境になった、という方は多いかもしれません。自分が変わらなくても、子どものクラスが変わったり、家族の異動、あるいは職場の周りの方がかわった…という方もいるでしょう。変化があると、様子を伺い気を遣ったり、自分を周りに合わせようとする気持ちと、新しいものから身を守ろうとるする(無意識の)体の反応に挟まれて、疲れが出てくることがあると思います。そんな時は、これまでの「変わらない」居場所(家族、古くからの友達など)の中で過ごしたり話したりすることで、ちょっとした安全基地に戻るような安心感が得られるかもしれません。疲れたな~と感じたら、それはsosだと受け止め、早めに休み、安全な場所でエネルギーをチャージすることを忘れないでくださいね。

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